Illustrated Demon
図解:悪魔の装置(6)
2008/02/02  

それでは、もし信号が薄い板にさえぎられたときはどうなるのでしょうか?
板にさえぎられたとき、信号は板で反射して、もときた道を引き返すものとします。
光子であれば、薄い板は鏡でできているものと思ってください。
(信号が板に吸収されて消える、という想定だと、そのつどネルギーを消費することになります。
ここでは無駄なエネルギー消費を抑えるという考えから、信号は反射するものとしました。)

反射した信号はどこに行くのかというと、装置の上をぐるりと回って、薄い板の、とあるの別の場所で再び反射します。 (この「別の場所」には意味があるのですが、それはこの後の説明で明かされます。)
このように、2つの反射板(2枚の鏡)で両端を挟んでおけば、 どちらかの端の反射板が外れるまで、信号を装置の上で「待機させる」ことができます。
信号の待機状態とは、2つの反射板(2枚の鏡)の間を往復している状態のことです。
分子と隔壁が所定の位置に来て、板に隙間が生じるまで、信号が待機状態から出ることはありません。

信号の通り道を一定に保つためには、あらかじめ何らかの仕掛けを用意しておく必要があります。
例えば信号が光子であったなら、通り道に光ファイバーを敷いて、信号がよそにはみ出さないようにします。
図中にある黄緑色の線は、全て光ファイバーのような線で固定された経路です。
信号の通り道は1次元の線上にあり、信号は通り道の上を往くか、復るか、しかできません。

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