2007/12/24
マックスウェルの悪魔 と 熱力学第二法則 は両立する! 「作用する時刻を予め言い当てることができない」 といった状況下であれば、 熱揺らぎの中から 非対称なエネルギーの流れを生み出す方法が存在する。 しかしながら、 これによって第二種永久機関が実現するわけではない。 熱揺らぎを利用した分子モーター実現の夢に向けて、 何が不可能で、どこまでが実現可能なのか、 限界と可能性を探る。
NEWS: (2010/11/15)
東京大学・中央大学の共同研究により、世界で初めて情報をエネルギーへ変換することに成功したそうです。 これによって、このサイトに書かれていたことが単なるSFではなくなりました。 >> 世界初「情報をエネルギーへ変換することに成功」 -- リンク先、中央大学ニュースからの引用: 19世紀から150年もの間議論されてきた、「マックスウェルの悪魔」と呼ばれる科学史上の重要な概念があります。今回、サブミクロンスケールでの極めて精密な加工技術と、リアルタイムでの正確な制御システムを組み合わせ、これまで理論上の存在であった「マックスウェルの悪魔」を、世界で初めて実験により実現しました。これにより、観察から得た「情報」を用いて「エネルギー」を取り出すこと、すなわち「情報をエネルギーへ変換できること」を実証しました。 >> 情報をエネルギーに変換することに成功!(PDF資料) >> 一般化されたJarzynski等式について・抄訳
記憶を消去するときにエントロピーが増大するということは、記憶を行なうこと(状態の間に相関をもつこと)のできる存在ならば、記憶の消去というツケを支払うまでの間は、短期間なら実際にマクスウェルの悪魔を働かせることができる可能性を示唆している。細胞内などの生命システムではこのような仕組みが有効に利用されていることが考えられる。 熱力学的に効率がよいとは必ずしもいえないが、ブラウン・ラチェットなどと呼ばれる分子の熱運動から一方向の動作を取り出すモデルがイオンポンプや分子モーターに関して提出されており、これらはこのマクスウェルの悪魔に類似している。 また分子機械として同様の構造を作ろうという試みも行なわれている。
-- Wikipedia:マクスウェルの悪魔 より
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