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2008/03/23  

ある系が外部から熱を取り入れれば、系の持つパターン数は増加する。
通常の熱機関であれば、低温源へ熱を捨て去ることによって、系の持つパターン数の増加を防いでいる。
System全体
ところが、系からパターン数を持ち出す方法は、低温源への廃熱の他にもう1つある。
それは、系から取り出す仕事そのものに複数のパターンを持たせる方法だ。
それゆえ、この方法の場合、系から仕事が取り出される、その時間が不定となる。
別の言い方をすれば、
  「系から取り出される仕事に情報エントロピーを持たせる」
ということだ。

ただ、ここで取り出された仕事は、必ず最後には熱に戻さなければならない。
つまり、仕事は”一時的にしか”利用できない。
「系+熱浴」という閉じた世界から外に、永続的な形で仕事を取り出すことはできない。

パターン数のルールを守るためには、いろいろな制約が付いてまわることになる。
そういった制約を1つ1つ考えてゆくと、熱運動で動く分子モーターの姿は、
ただで、無尽蔵にエネルギーを取り出す装置とはかなり違ったものになってくる。

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