計算機実験
シミュレーション6:両端の振動子の平均エネルギーを変えてみる
2007/12/20  

右端の壁と左端の壁の温度を等しく保つのではなく、右と左で温度差があった場合はどうなるだろうか。 左右の壁の振動エネルギーを変えて、その傾向を調べてみた。

その結果、正負の転送の傾向は、左右の温度差に依存していることが確かめられた。 狭い部屋の側の温度を上げれば、正負の転送回数の差は増大した。 反対に広い部屋の側の温度を上げれば、正負の転送回数の差は小さくなった。


   結果のグラフ

「温度差」の数字は、

( (右側の振動子の運動エネルギー) - (左側の振動子の運動エネルギー) ) x 10
である。 例えば「温度差-10」のグラフでは、右側の振動子の方が左側の振動子よりも 10/10(つまり1)だけ運動エネルギーが小さい。

グラフの結果は、明確に「温度差」に依存している。 左側の振動子の運動エネルギーが、右側の振動子の運動エネルギーより大きいほど、正(+)の転送回数が大きくなる。 ここから、正負の転送回数の差異が、左側から右側へのエネルギーの流れに関連付いていることがわかる。

注:
シミュレーション上での「温度」とは、両端の振動子の平均運動エネルギーのことである。
シミュレーション上での物理的な単位は、それぞれ次のようになっている。
  長さ: 画面の1ピクセルが1単位。
  時間: 計算の1ステップを 0.05単位時間 とした。
  質量: ボールの重さが1単位。
この単位系における振動子のエネルギーを、ここでは「温度」と呼んでいる。
現実の物理的な温度(ケルビン温度)と整合がとれている訳ではない。
(シミュレーション上での -10 が -10℃ となっているわけではない。)

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