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2008/02/14  

さて、ここまで来れば、事の本質が見えてきたのではないかな。

熱運動を直接仕事に変えることができない本当の理由は、

    パターン数を減らすことができない

からだ。

それでは、パターン数を減らすこと無しに、仕事を取り出すことはできないだろうか。
そんな都合のよい方法があるのかな?

    ある。

たった1つだけ、パターン数を減らさずに、仕事を取り出す方法がある。

時間をずらす それは、

    時間をずらす

ことだ。

熱運動の状態に応じて、仕事が取り出される時間を変えてやればよい。

例えば、想定しうる熱運動の状態が10通りあったとする。

このとき、

  もし熱運動が1番目のパターンだったなら、
    1秒後に仕事を取り出し、
  もし熱運動が2番目のパターンだったなら、
    2秒後に仕事を取り出し、
  もし熱運動が3番目のパターンだったなら、
    3秒後に仕事を取り出し、
       ・・・
  もし熱運動が10番目のパターンだったなら、
    10秒後に仕事を取り出す。

といった仕掛けを用意する。

これなら、たとえ運動の向きが1つにそろっても、パターン数が減ってしまう心配がない。

なぜかっていうと、時間が違うから。

1秒後に仕事を取り出すことと、2秒後に仕事を取り出すことは、別の状態だから、パターン数は2通り。
1〜10秒であれば、パターン数は10通りになる。

ただしこの方法だと、時間がいつになるか分からない、という代償をともなう。

もしこの方法で自動車を作ったなら、その自動車はいつ走り出すのかわからない。
でも、遅くとも10秒待てば走るのだから、何もしないよりはずっといい。

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