計算機実験
ワープゾーンの時間反転
2007/12/23  

前節で、シミュレーションが満たすべき3つの物理的なルールを挙げた。 その中で、特に3個目のルールをシミュレーションは満たしているのだろうか。

・ルール3: 決定的である、因果律を満たす
1つには、シミュレーションには”エネルギーを等分配するプロセス”が含まれており、必ずしもルール3を遵守してはいない。 これは前節に述べた通りだ。
他には無いだろうか。改めてシミュレーション全体を見直すと、ワープゾーンの仕掛けの中に一点、時間反転に対して非対称な箇所がある。
・一度隔壁が移動した後は、一定時間次の移動は行われない。
そうしないと、隔壁が2つのゾーン間を行ったり来たりすることになるので。
「A: 隔壁が移動した後、一定時間次の移動は行われない」
 を時間反転すると、
「B: 一定時間待った後、隔壁の移動を行う」
 となる。両者は必ずしも同じではない。
そこで、これまで A:で実行してきたワープゾーンの仕掛けを B:に変えてシミュレーションを試みた。 具体的には、先に実施した シミュレーション5B:に変えて実行した。
これは多分にテクニカルな問題かもしれないが、非対称性の原因が潜んでいないかどうかの確認は必要だろう。


   結果のグラフ

結果は、元のシミュレーション5と似通ったものとなった。
シミュレーションは、転送回数749回まで実施した。 (今回のシミュレーションでは途中で無限ループに陥り、以降の結果が取れていない)

この結果から、少なくともワープゾーンでの一定の待ち時間が原因となって非対称性が生じているわけではないことが確認された。

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