コントロール系の頑健性について => コントロール系が「理想的な古典力学系」ではなかった場合はどうなるのか? 少しでも熱ゆらぎの影響を受けたならば、コントロール系の機能は完全に麻痺してしまうのだろうか? -- そんなはずはない。熱ゆらぎの影響を受けた分だけの情報を補えば、完全停止までは行かないだろう。 熱ゆらぎの影響を全く受けない、真に理想的なコントロール系〜永久の1bit〜が存在したならば、永久に特定の方向を目指し続ける分子モーターが実現するだろう。なぜなら、永久の1bitは永久に失われないのだから。 しかし現実にはいかなる情報といえども、熱ゆらぎにさらされて、いつかは失われる運命にある。 初期において、ただ1bitの情報を保持していたのであれば、1bitを破壊する熱ゆらぎ〜kT*ln2がコントロール系に侵入した時点で、コントロール系は「死ぬ」ことになる。コントロール系を生かし続けるためには、外部から侵入したのと同じだけの情報を補う必要があるだろう。 つまり、単位時間あたり、どれほどの熱ゆらぎがコントロール系に「侵入するか」が、頑健性の目安となるわけだ。 ---- *** 以下はアイデア段階なのだが、、、 真に重要な「最初の1bit」は、奥の方に大事にしまっておいて、滅多なことでは表に出さない。 そのかわり、「最初の1bit」によって「比較的汚れの少ない」第1世代bitを生成する。 第1世代bitが、さらに第2世代bitを作り、第2世代biyがさらに第3世代bitを作り、、、といった具合に多段階にnitを生成し、 実際にはかなり汚れた、しかし最初のbitからはかなり離れた世代のbitを熱ゆらぎにさらす。 こうして幾世代もの隔壁を置くことによって、最初のbitをほとんど汚れにさらすことなしに守り抜くことができるだろう。 ただし、その代償として、最初の1bitから遠く隔たった末世代bitは性能が悪い〜最初の1bitの意志をあまり正確には反映せず、ぼやけたものになってしまうだろう。 => 真打ちは奥底に秘める、といった感じだ。