・・・このはしがきは余計。 本論に入る前のおまけがあまりにも多すぎる。この際カットしよう・・・ ------------------------------------------------------------------------------- ここには何が書かれていないのか? 〜 ありがちな7つの間違い 本サイトのテーマは 「分子の熱運動から利用可能なエネルギーを取り出す方法を探求する」 ことである。 一体どういった方法を探求するのか、最初に大雑把な方向性を示しておきたい。 そのためには、消去法で「ここには何が書かれていないのか」を順番に挙げていった方が良い様に思う。 本サイトでは、以下の1〜7の項目を議論のテーマとして取り上げることは無い。 1:超常の力についての議論ではない 未だ人類に知られていない未知の力、神秘の生命力、宇宙エネルギー、霊界のパワー、・・・そういった類の、超常の議論ではない。誰もがよく知っている、熱エネルギーに関する物理の議論である。 2:相対性理論、量子力学、宇宙論、素粒子物理、あるいは他の現代物理理論の誤解に基づく議論ではない 量子力学の数式をいじり回したらエネルギー項が出てきたとか、独自の見解に基づいて相対性理論を扱ったところ空間の捩じれからエネルギーが得られたなどの、”難解な最先端理論の曲解”ではない。本サイトには基本的に古典力学しか登場しない。この意味で、本サイトの内容は地味なものであるし、誤魔化す余地もない。相対性理論、量子力学、宇宙論、素粒子物理、・・・そういった一般の人にとって難解な理論や、いかにもといった奇妙な数式群は一切登場しない。 3:ある特殊な装置についての議論ではない 「こんな装置を作ったら永久機関として動作した」という話ではない。本サイトには説明の都合上、幾つかの”仮想的な装置”が登場する。しかし、その装置だけが特別な存在だということではない。単に一つの例として示したに過ぎず、その気になれば他の例を引き合いに出すことも可能だ。本サイトで示したいのは一般的に通用する法則である。ある種の特別なからくりがエネルギーを生み出した、という議論ではない。 4:熱力学第1法則を無視した、あるいは反するものではない エネルギー自体を無限に生み出す装置についての議論ではない。このような装置は「第1種の永久機関」と呼ばれているが、本サイトの議論は第1種の永久機関についてではない。 5:熱力学第2法則を無視した、あるいは反するものではない エントロピーを減少させる装置についての議論ではない。つまり、本サイトの議論は「第2種の永久機関」についてではない。 本サイトでの議論は、熱力学の法則に矛盾しないものであると私は考えている。 エネルギー保存則を満たし、エントロピーを減少させることもなく、なお利用可能なエネルギーを取り出す手段が存在する・・・これが本サイトの主張である。 6:過去の学問の成果を否定、又は批判するものではない 本サイトには、過去に築いた学問に間違いがあったとか、とんでもない見落としがあったなどという主張は含まれていない。 かといって、本サイトでは過去の学問を無視したわけでもない。 本サイトで行われる議論は、少なくとも私が知る限りの過去の学問の上に積み重ねたものである。 従って、本サイトの内容によって物理学がひっくり返るとか、革命が起こるなどといったことは一切ない。 7:無尽蔵な情報を投入すれば自由エネルギーが得られるという議論ではない 「熱統計力学のエントロピーと情報エントロピーは同じものだから、情報を投入することによって無限のエネルギーが得られるはずだ」という議論ではない。 本サイトでは、熱統計力学のエントロピーと情報エントロピーは本質的に同じものだという立場をとっている。 しかし、たとえそうだったとしても自由エネルギーの消費なしに情報を無尽蔵に得ることは不可能だから、上の議論は間違っている。 以上を順番に消去していった結果、残された部分がこれからお話しようとする内容である。 そこは、どちらかと言えば重箱の隅の如く、狭く小さな場所であるように思う。 しかしそこは、悪魔と熱力学の法則が共存できる「最後の楽園」なのである。