「第1号」は本当に順方向に回るのか ... あやしい。 -> 準永久機関=エネルギー増幅装置の側面を前面に押し出すこと. -> 永久の1bit から ドミノ倒し理論まで ------------------------------------------------------------------------------- ● 疑問点 「第1号」は可逆部品のみで構成されているのだから、順、逆方向同等に回るはずであり、 ほんのわずかであっても外部からの「後押し」がなければ方向は決まらないはずではないか? 例えば、検索時に3bit分(空間の1/8を言い当てた)のエネルギーを得たときに、 仕事としては2bit分の仕事しか取り出さなかったとする。 現行の説明では「残りの1bit分は順方向に回すために使われた散逸分」と考えているのだが、これは本当か? その1bitは散逸できずに、逆流するのではないか? つまり、準静的過程以上の力で、勢いよくピストンを押せば、 ピストンは勢い余って跳ね返ってくるのではないか。 この跳ね返りを押さえるためには結局エネルギーの散逸が必要で、 散逸する、ということは、その過程で「逆流」もあり得るはず。 => 解答 「第一号」単独だと動作しない or 理想的にしか動作しない。 「エネルギー増幅装置」といった仕掛けを入れて初めて完全に動作する。 骨子である「時刻不確定分だけ仕事が得られる」は修正の必要なし。 しかし、実のところ第一号の仕組みの中だけで話は完結しない。 1秒後 or 2秒後の2通りで 1bit相当のエネルギーが取れるというところまで、 つまり = 等号までは極限状態で成立する。ただし等号を越えて順方向に回るまでは成立しない。 (限りなく等号に近づくが、等号そのものは無限の時間がかかるといった極限で成立する。 現実的に等号そのものは成立しない。) 確実なのは「エネルギー増幅装置」的な使い方。 最初に順方向に回すための自由エネルギーを投入し、その結果として 「最初の自由エネルギー+時刻不確定分だけの仕事−順方向で散逸した分」 が残る。 ここで残った仕事を、次の2回目のサイクルに注ぎ込む。 わからないのは2回目のサイクルがいつ起動できるのか、その時刻。 2回目以降、前回得られた仕事を順次注ぎ込めば、順方向に動作し続けることはできる。 しかし、回を重ねるにつれ、ますます時刻は不定になってゆく。 以上のように ・最初に1回「順方向」のための初期投資を行う。 ・2回目以降、装置自体の起動時刻を全体サイクルに組み込む。 としてやれば「時刻不確定で利用可能な仕事」は得られ続ける。 「第一号」の中だけで完結して順方向が言えるかどうかについてだが、 余った力の逆流まで考慮に入れると、これだけで順方向になるわけではない。 例えば「第一号」を円環レールに乗せて、平らな床の上を一方方向に回るように しむける話だが、一方方向に回っている状態は、両方に回り得る状態と比較して 明らかに1bit状態数が少ない。一方方向だけに回っている環状レールを 両方向に回す状態に戻すことで確実な仕事が得られる〜つまりエントロピー減少と なってしまう。やはり「第一号」が自然に一方向きを生み出すのはおかしい。 => 結論 ・第一号は、少なくとも順方向、逆方向が完全に五分五分のマシンととらえる。 ・これを順方向に回すには、最初にわずかながらの順方向エネルギーを与える。 ・以後は起動時間の不確定を増大しつつ、初期投資の流れを殺さずにサイクルを回し続ける。 「初期投資」の流れは死なない -> 永久の1bit、の考え方に至る。 ● 永久の1bitとは? 「第一号」を最初に作ったときに、初期状態で渡した1bit. 系全体を、あたかもコーヒーをスプーンで混ぜるように一方方向に回せば、 角運動量保存から、この一方に回っているという情報は決して散逸しない。 この回転の例のように、決して散逸しない不滅の情報があれば、 それを元にして一方回しを続けることができるだろう。 ------------------------------------------------------------------------------- ● 疑問 時刻不確定なサイクルは、「永久の1bit」を守り続けるだけなのか、 それとも不確定を増やしさえすればエネルギーの流量そのものを増やすことができるのか? 0(イーブン)な守りの仕組みなのか、 +(プラス)な生み出す仕組みなのか? => 解答 時間の座標を固定すれは、(最良で)0(イーブン)な守りの仕組み。 時間の座標を再設定すれば、+の仕組みとなる。 時刻不確定で、N回のサイクルを回した後のことを考えてみよ。 「その時点では」手元に利用可能なエネルギーが+に蓄積されているはず。 ... これ本当かな? より深く見直す必要あり => ドミノ方式理論へ. ------------------------------------------------------------------------------- ○ Coffee Break(重要度低い話) 2体衝突を繰り返しているだけでは「平衡分布」に近づかない。 v1 <-> v2 の交換が行われるだけ。3体以上の相互作用が必要なはずだ。 この問題は「純粋な1分子反応は起こるか?」といった問題にもつながる。 -------------------------------------------------------------------------------