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2008/02/14  

向きをそろえるということは、つきつめれば

    2つの異なる原因から、まったく同一の1つの結果を生み出す

ということなんだ。

昔、シラードという人が、こんな仕組みを考えた。

Szilard's Engine
・箱の中に、熱運動する分子が1個だけ入っている。

・この箱のまんなかに、さっと仕切りの板を入れる。

・分子は左右のどちらかに入っているので、
 左に入っていれば左側から、右に入っていれば右側から、
 仕切りの板を押す力が働く。

・仕切りの板を押す力は、利用可能な仕事として取り出すことができる。

さて、この仕組みを使って熱から無尽蔵にエネルギーを取り出すことができるだろうか?

残念ながら、この仕組みには致命的な欠陥がある。
それは、力の働く向きが右か左か、どちらになるのかわからない、ということだ。

何とかして、この左右を言い当てることができればよいのだが、どうしてもうまい方法が見つからない。
分子がどちらに入っているのかを調べようとすれば、調べるのに余計なエネルギーがかかってしまう。
エネルギーを使わないように巧妙な仕掛けを施しても、どこかに左右2通りに相当する、2つの状態が残ってしまう。

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